土用といえば、丑の日に鰻を食べる行事のように知れ渡っていますが、実は一年間に4回・合計すると72日間もあり、やってはいけない事もあるのです。
土用期間は、土公神(どくしん・どこうしん)様という神様が土の中にいらっしゃるので、土を動かすと怒りに触れて災いが降りかかるとも言われています。
しかし農業や建設関係の方は18日間も仕事をしないわけにはいきませんよね。
土公神様は18日間ずっと土の中にいらっしゃるのではなく、天界に上がるタイミングである間日(まび)を利用したり、あえて土用期間に大きく土を動かす日が重ならないようにすると良いでしょう。
現実の生活が立ち行かなくなっては本末転倒なので、臨機応変に対応することが大切です。
間日には決まりがあって、下記の日となります。
春の土用―巳・牛・酉の日
夏の土用ー卯・辰・申の日
秋の土用ー未・酉・亥の日
冬の土用ー寅・卯・巳の日
土用の由来
土用は古代中国の自然哲学の思想である五行説が基になっていて、万物は木火土金水(もっかどこんすい)の5元素からなるという考え方を用いたもの。
土用は、土の気が盛んになる期間
良くも悪くも変化させる働きが強まる期間なのです。
方角・干支・五臓も五行の属性に分かれて、土用は季節を五行に当てはめています。
春→木気
夏→火気
秋→金気
冬→水気
土気は全ての季節とのつなぎ目に位置し、その年によって日にちが微妙にずれるので〇日~〇日までと決まった日にちではなく、立春・立夏・立秋・立冬の前日までの各18日間です。(青い部分)
季節の変わり目の18日間を土用としているので、一年で72日間もあるのです。
土用にやってはいけないこと
土用期間は土の気が強くなるので土を触ってパワーアップと言いたいところですが、体調を崩しやすい時でもあるので無理をしないことが大切です。
季節の変わり目は、急激な気温の変化にともない体調をくずしやすく、特に秋の土用期間は夏に冷たいものを多く摂りがちなので、胃腸のダメージも大きくなっている時なのです。
お腹をこわしやすい・風邪を引きやすいなど抵抗力も弱まっている時期なので、無理をしないことが重要となります。
土を触ってはいけないと伝わっているのも、今ほど医療が発達していない時代には破傷風にもなりやすかったり、少しの体調不良が病気に繋がったり治りにくい背景もあるのでしょう。
土用に土を触ってはいけないという言い伝えは、季節の変わり目に無理をせず体を労わるためのもの。
杓子定規に「土を触らない」という部分だけを取り上げるよりも体力を温存する時期だと割り切って、休むことに対する罪悪感を持たないようにしたいですね。
最後に、家に関すること。
引越し・基礎工事・地鎮祭・井戸や水路を掘る・増改築など。
工事や農業関係の場合、土用前に始めているのなら問題ありません。
気になるなら、あえて土用期間に始めるのは避ける・間日に始めるなどで回避できます。
特に引っ越しは、小さな物や照明器具など何か1つでも土用前や間日に運び込めば、土用期間を気にせずに引っ越せますよ。
土用にやった方が良いこと
土用期間に髪を切る・髪の手入れをするのが開運に繋がるのをご存じでしたか?
髪には厄がつきやすいので毛先を少し切りそろえたりトリートメントなどの手入れをすると厄を祓い、運気アップにつながります。
他に、土には土台・基盤安定のエネルギーが強いので計画や生活習慣・物事の見直しをするのがお勧めです。
季節の変わり目なので、衣替えや次のシーズンの準備をしておきましょう。
他にはデータのバックアップを取っておく・自転車やバイク・車の整備や手入れをしておくのも良いですよ。
普段ならなんともないようなちょっとした事がトラブルになりやすい期間でもあるので、対人関係のもめごとを防ぐためにも発言には気をつけてくださいね。
何でも我慢したり先に折れる・謝る必要はないですが、売り言葉に買い言葉・キツイ言い方は避けたほうが良いでしょう。
土用期間は季節の変わり目とともに、エネルギーアップやステージの変化をしやすい時でもあります。
もし、やたらと眠いのが続いているなら、どんな意味があるのかチェックしてみてくださいね。